まんぷくまなこ

文学部美術史学専攻卒の穂葉るながお届けする、美術に関するブログ。素敵な作品と作家さんを紹介します。たまに人材や教育の記事も。

世にも珍しい「美術好き」アイドル、和田彩花ってどんな人?

はじめに

今回ご紹介するのは、アイドルグループ「アンジュルム」「ハロー!プロジェクト」の元メンバー、和田彩花さんです。なぜいきなりアイドルの紹介をするのかというと、実は彼女はアート好きな一面があるアイドルだからです。

和田彩花さんの経歴

1994年生まれ。群馬出身。2010年、スマイレージのメンバーとしてメジャーデビュー。同年に「第52回輝く!日本レコード大賞」最優秀新人賞を受賞する実力の持ち主です。

2015年よりグループ名をアンジュルムと改め、TV、ライブ、舞台などで幅広く活動。ハロー!プロジェクト全体のリーダーも務めた後、2019年にアンジュルムおよびハロー!プロジェクトを卒業します。

一方で、2019年現在大学院で美術を学ぶなどアートへの関心が高く、自身のラジオ「和田彩花のビジュルム」でアートに関する情報発信をしています。

私も美術史を大学で学んでおり、同じ研究室の大学院生の方の発表を聞くこともあったので、教授の大学院生への厳しさや専門性の高さは肌で感じています。そんな環境を選んでいる点は本当にすごいですね。

彼女が美術に興味を持ったきっかけ

高校に進学する春までは、宿題で美術館に行ったことはあったけれど、絵を見てもなんとも思わなかったという和田さん。絵画とはきれいな絵の具できれいな風景を描くもの、というぐらいの認識しかなかったそうです。

ですが三菱一号館美術館でマネの展覧会に行き、“なんだこれは!”と衝撃を受けたとのこと。中でも最も印象に残ったのが「死せる闘牛士」という絵だそうです。倒れている闘牛士を描いていて、和田さんは“こんなの描いてもいいの!?”と驚き、美術の世界にのめりこむことになったのでした。こちらがその絵です。確かに、硬直した体が画面いっぱいに表現され、ショッキングな一枚ですね。黒の重々しい色調も印象的です。

死せる闘牛士

https://www.musey.net/4246より画像を引用

 

和田彩花の「アートに夢中!」

では、彼女のアートを紹介する語り口を体感していただきましょう。以下のぴあでの連載、和田彩花の「アートに夢中!」をお読みください。(お手数ですが、ウェブで見れるのは途中までで、アプリのダウンロードで全文記事が見れるようになっています)

いかがでしょうか?絵の見どころや作品の紹介も、等身大の言葉で綴られていますね。

さらに和田さんは「乙女の絵画案内 「かわいい」を見つけると名画がもっとわかる」「美術でめぐる日本再発見〜浮世絵・日本画から仏像まで〜」といった著書まで出しているという本格派です。西洋も東洋も守備範囲なんですね。

「乙女の絵画案内 「かわいい」を見つけると名画がもっとわかる」では、ボッティチェリが描いた女神、ベラスケスが愛した王女、フェルメールによる謎めいた女性、印象派の画家たちが表現したパリの乙女たち…など女性アイコンに注目して編集されている本のようです。

三菱一号館美術館館長 高橋明也さんのお墨付きもいただいており、しっかりとした中身でありながら親しみやすい一冊になっているそうです。「絵に興味はあるけれど、どのように観ればいいかわからない」という女性に特におすすめです!


乙女の絵画案内 「かわいい」を見つけると名画がもっとわかる (2020140314)

 

「美術でめぐる日本再発見〜浮世絵・日本画から仏像まで〜」葛飾北斎「冨嶽三十六景 甲州三嶌越」、喜多川歌麿「ポッペンを吹く娘」、歌川広重東海道五拾三次之内 庄 野 白雨」などを題材に、日本再発見の旅に誘ってくれる本のようです。西洋絵画ばかり見てきたけど東洋美術も学びたいという人はぜひ読んでみてください。

おわりに

いかがでしたか?ほかの特技を持ちながらアートと掛け合わせて活躍してくれる有名人の方がいると、アートがもっと広まり身近になりますね。私の理念「アートを身近に。瞳の至福を多くの人へ」というところにピンときたのでご紹介いたしました。それでは今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!

 


美術でめぐる日本再発見 - 浮世絵・日本画から仏像まで -