まんぷくまなこ

文学部美術史学専攻卒の穂葉るながお届けする、美術に関するブログ。素敵な作品と作家さんを紹介します。たまに人材や教育の記事も。

宮沢賢治の「やまなし」は水底の情景描写が味わい深い

「やまなし」の中の名文

みずみずしい、美しい光景が思い浮かぶような珠玉の一文。そんな名文との出会いは心を豊かにしてくれます。

今回ご紹介するのは、宮沢賢治の童話「やまなし」。小学校6年生の教科書にも載っていた有名なお話です。「クラムボンはかぷかぷわらったよ」というところを覚えている方も多いのではないでしょうか。

「やまなし」の中で特に美しいと思った文章がこちら。

「白い柔かな円石(まるいし)もころがって来、小さな錐(きり)の形の水晶の粒や金雲母(きんうんも)のかけらもながれて来てとまりました。」

「やまなしは横になって木の枝にひっかかってとまり、その上には月光の虹がもかもか集まりました。」

他にも「光の黄金の網はゆらゆらゆれ、泡はつぶつぶ流れました。」など、彩りを与えるパーツ一つ一つに言及しながら、水の下の世界が幻想的に描き出されています。


童話絵本 宮沢賢治 やまなし / 宮沢賢治 ミヤザワケンジ 【本】

切り絵「水底の園」

この文章をモチーフに絵を描いてみました。それがこちらの作品、「水底の園」になります。

画像1

こだわったポイントは、「形の多様性」「黒の残し方」「マチエール(絵肌の調子)」「波模様などの曲線美の意識」です。

この絵は透明でノリのついた面に黒い紙が引いてある特殊なボードを切り絵のように切って、はがしたところに色のついた箔をつけるというやり方で作っています。箔を一度くしゃくしゃにしてからつけることで、マチエール(絵肌の調子)に変化をつけています。カニの兄弟の体のザラッとした感じを出したり、月光の虹には細かく白を入れたりしています。

箔の色数は12色で決まっているので、配色にも気を配りました。遠近感も青の濃さや海藻の大小で表そうとしました。
カニの口から月へ向かって漂う泡の中には、クラムボン(プランクトンと解釈しました)などを写り込ませています。

カニの兄弟は重要な登場人物なので、図鑑の写真を資料に正確な描写になるよう気をつけました。

宮沢賢治の生い立ち

作者の宮沢賢治は有名ですが、生い立ちをおさらいしましょう。

1896年(明治29年)に現花巻市豊沢町で長男として生まれた宮沢賢治。19歳の時、盛岡高等農林学校(現岩手大学農学部)農学科第二部に首席で入学します。文学部ではなかったのは驚きですね。童話の制作を始めたのは、22歳のときでした。その1年後には萩原朔太郎の詩集「月に吠える」を読み、感銘を受けています。

校正などの仕事を経て、25歳の時農学校の教諭に就任。「注文の多い料理店」など多くの童話も創作します。26歳の年には「春と修羅」制作開始。こちらの作品は映画「シン・ゴジラ」にも登場していますよ。同年11月、悲しいことに、まだ若い妹トシが死去。その死を受けて、「永訣の朝」を書きました。童話「やまなし」も妹が死んだあと、27歳の時に作られました。この事実を知ると、クラムボンの死のストレートな描写も近親者の死を経験したからこそ出てきた表現だったのかもしれません。(あくまで私の憶測です。)28歳の時、「銀河鉄道の夜」初稿が成立。

29歳の時には草野心平と交友関係があったそうです。草野心平は、「冬眠」という黒丸一文字の斬新な詩が代表作の詩人です。35歳で「風の又三郎」の執筆を進め、手帳に有名な「雨ニモマケズ」を書き留めます。37歳の若さで、5年前から患っていた急性肺炎のためこの世を去りました。

 

※生い立ちは、宮沢賢治記念館 - 花巻市HPを参考に書きました

https://www.city.hanamaki.iwate.jp/miyazawakenji/about_kenji/index.html

おわりに

いかがでしたか?宮沢賢治は妹の死、若いうちの病気など、苦難がありながらも文学に向き合い、精いっぱい生きた人でしたね。

今回ご紹介したイラストのクレジットを抜いたバージョンは、ツイッターのDMから購入希望のご連絡をお願いします。100円で販売しています。私のツイッターは以下のURLから。

https://twitter.com/minoruha2lune

それでは、今回もみなさんの心の琴線に触れる一文との出会いがありますように。


【カトウシンジ/Shinzi Katoh】宮沢賢治マスキングテープ(やまなし)シール堂

鬼滅の刃、人気の理由はなぜ?4要素に分析!

はじめに

少年マンガ鬼滅の刃」の人気が著しいですね。ある本屋さんではコミックランキングのトップ10で、ワンピースをおさえてすべて鬼滅の刃の各巻で埋め尽くされるなどすさまじい盛り上がりです。

なぜそれほど人気になったのか?調べてみると、映像制作会社ユーフォーテーブル有限会社(ufotable)が手掛けたアニメのクオリティが高かったこと、アニメを早期にアマゾンプライムビデオなどビデオ・オン・デマンドサービスで配信したこと、主題歌『紅蓮華』を歌うLiSAの存在、芸能人の椿鬼奴さんがテレビ番組で鬼滅の刃に言及したことなどが挙げられています。

ではそもそもアニメ化に至るほど、芸能人に熱いファンができるほどになった、作品自体の魅力はどういったものなのでしょうか?

気になったので実際に読んで考察してみました。できるだけ重要なネタバレは避けますが、マンガの概要などは出てくるので、まっさらな状態から楽しみたい未読の方はお気を付けください。


鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス)

1 かっこいい必殺技が真似したくなる

この漫画は、鬼殺隊という組織が人を食べる鬼と戦うバトル漫画です。主人公も家族を鬼に殺された仇をとるため、そして鬼になった妹を人間に戻すため鬼殺隊に入って修行を積みます。

その中で出てくるのが、水、炎、雷、岩、風、などの基本の呼吸の流派と、それぞれの流派で数の決まった型。「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り」などの必殺技名で攻撃を繰り出します。

これがバラエティに富み、エフェクトもかっこよくてわくわくする技なのです。

ツイッターで「呼吸 型」で検索すると、登場する技を題材にした絵やコスプレが出てくるのはもちろん、アレンジした呼吸や型を作っている人も多くみられます。ペットのしぐさのムービーで撮って、それに「猫の呼吸 捌の型 ~」なんて名づけているユーモラスな投稿もありました。

この部分は人気になるうえで大きかったのではないでしょうか?

2 精鋭異能集団 「柱」のキャラが魅力的

さらに物語が進んで出てくるのが鬼殺隊の中の幹部である「柱」。基本の呼吸から派生した呼吸の使い手も含めて、水柱、風柱、炎柱、蟲柱、蛇柱、恋柱、霞柱、音柱、岩柱の9人です。この柱がそれぞれ個性が強く、9人もいるのでそれぞれの柱たちの関係性、掛け合いも魅力的。自分の好みのカップリングやコンビ、トリオを見つけることができます。いわゆる「推し」が見つかるラインナップになっており、二次創作も盛んです。

NARUTOの敵の組織「暁」も人気があったように、少数精鋭の特徴的な技や性格のキャラ集団はグッとくるものがありますね。

3 敵キャラの過去の掘り下げが丁寧で情に訴えかけてくる

この漫画では、主人公の炭治郎がとても優しく、敵であってもその鬼が「どういった人生を歩んで鬼になってしまったか」まで汲み取って倒します。その中で、鬼が貧困や病気、悲惨な事件から悪い方向へ進んでしまった過程も描かれるのですが、ここがなかなか泣かせに来る構成になっています。

完全な悪ではなく、味方の同期や柱と同じように事情を背負った存在なのだということが丁寧に説明されています。

物語に深みが出ている部分だと感じました。

4 サクサクと進む、展開のスピード感が心地よい

私はアニメから見始めて追っていたミステリ漫画があるのですが、途中で離脱してしまったものがあります。なぜなら、展開の遅さにうんざりしてしまったからです。

長寿アニメ化してしまったから仕方はないと思いますが、10年以上現実で経っていても作中の時間が半年ほどしか経っていない設定なのです。(四季はめぐっている描写があるのに笑)決定的だったのは敵組織幹部と直接対決する回やヒロインとの関係性が変わる重要な回の少なさ。ほとんどは本筋のストーリーとは関係ない事件で占められていて話が進まないのです。

鬼滅の刃はそんなストレスとは無縁。修行シーンも2年の歳月をナレーションでうまく縮めながら強くなっていきますし、ある程度の段階になると雑魚鬼との戦いの様子も省略されます。驚いたのは、ラスボスである鬼舞辻無残にかなり初期の段階で対面するシーンさえあるということです。

また、衝撃的だったのは、敵の幹部組織である十二鬼月のうち、ナンバー12、10、9、8を鬼舞辻無残自らが怒って粛清、殺してしまった回です。

もともと十二鬼月という数が決まった敵キャラである時点で、後出しで何人も新キャラを出していかない姿勢がいいなと思っていました。12の敵を倒していく描写があると思いきや3分の1も戦わないままになるなんてビックリしましたね。

話が遅い!というストレスはなく楽しめるのでおすすめです。

おわりに

いかがでしたか?このブログは基本的に美術を紹介するブログですが、マンガも美術の一つとして考えているのと、普段美術を見ていない人でもこの記事を入り口にほかの投稿を見て行っていただけると嬉しいなと思って執筆しました。

流行のものがなぜ流行っているのか自分なりに考えてみるのは頭の体操になって面白かったです。

それでは、今回もお読みいただきありがとうございました!

 


鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス)
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おすすめ画家、理想美を追求したブグロー

はじめに

今回紹介するのは、フランスの画家 ウィリアム・アドルフ・ブグローです。

『フローラとゼフィロス』

こちらの絵をご覧ください。

フローラとゼフィロス

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8D%E3%83%A2%E3%82%A4から画像を引用

描かれているのは、ギリシア神話の西風を司る風神(左)とローマ神話の女神で、花と春の女神フローラ(右)です。フローラはギリシャ神話の妖精クロリスと同一視されています。ゼフィロスがフローラに恋し、イタリアに連れて行ったといわれています。

絵の中でゼフィロスはフローラに接吻していて、甘やかな恋の間柄が描写されています。肌はまぶしく、二人の体を覆う布の色も鮮やかです。円形の画面もいいですね。


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『ビーナスの誕生』

ビーナスの誕生

https://www.musey.net/14153から画像を引用 解説文を参考

イルカに引かれてきた、貝の上に乗っている女性はビーナス。ローマ神話の愛と美の女神です。キューピッドとプシュケを含む15人の天使たちや、数人のニンフとケンタウロスがビーナスの到着を祝福しているようです。二人のケンタウロスは彼女の到着を知らせるために巻き貝を吹いています。ビーナスは女性の体の曲線美が強調されているポーズで描かれていますね。白や水色を中心とした色合いも明るく、綺麗です。

ブグローの生涯

ブグローは、1825年フランスのラ・ロシェルで生まれました。1839年、14歳でポンスカレッジに入学したブグローは、アングルの弟子であるLouis Sageからドローイングのレッスンを受けるようになります。その後、ブグローは、ボルドー美術学校に入学したかったのですが、なかなか父親が首を縦には振りませんでした。最終的には母親の取りなしにより、何とか父親を説得、美術学校に入学することができました。1844年には最優秀歴史画賞を受賞。1846年、21歳のブグローはエコール・デ・ボザールに入学します。

1857年には最初の子供ヘンリエッタが生まれました。1861年、2人目の娘ジャンヌが誕生。1876年、3番目の子供に恵まれますが、1877年、妻Nellyが死亡。1879年に新しい奥さんと再婚します。

1880年、ミュンヘン万国博覧会で金賞を受賞。1905年、ラ・ロシェで息を引き取りました。

http://blog.livedoor.jp/kokinora/archives/1023738608.htmlを参考。)

おわりに

イタリアンレストランチェーン・サイゼリアでよく見る天使の絵もブグローによるもので「アモルとプシュケ」という作品です。意外と身近な存在でしたね。今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!

 


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「シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略 」感想・書評

はじめに

今回ご紹介するのは、森美術館の広報・プロモーション担当の洞田貫 晋一朗さんが書かれた、「森美術館SNSマーケティング戦略 シェアする美術」という本です。2018年美術展覧会入場者数1位2位になるまでの秘密を知りたい方、企業のSNSアカウント担当の方、個人のSNSアカウントを伸ばしたい方必見の内容になっています!内容の一部ネタバレになるのでこれから読みたい方はご注意!


シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略

美術館をまたぐ「プール割り」

この本では、イントロダクション『「レアンドロ・エルリッヒ展」成功の舞台裏』、第1章 『「撮影OK」の波がアートを変える』、第2章「海外の美術館の最新SNS事情」、第3章「森美術館のユニークなSNS運用例」、第4章『「森美術館流」インスタ&ツイッター活用術』という章立てで、なぜSNSで2018年美術展覧会入場者数1位2位になるまで集客できたのかについて解説されています。

 

 まずユニークさに目を引かれたのは、前代未聞の試み、「プール割り」。これは、レアンドロ・エルリッヒ展において、石川の金沢21世紀美術館の常設展示<<スイミング・プール>>(同じ作者が制作)の写真を森美術館のチケット売り場で提示すると森美術館の入館料が割引になるという企画。

 

 <<スイミング・プール>>は、透明のガラスの上に水が張られており、水面下には別の入り口から入ることができる仕組みになっているインスタレーション作品です。インスタ映えする作品としてSNSで話題になっていました。レアンドロ・エルリッヒという名前を聞いたことが無くても、<<スイミング・プール>>を見れば「ああ、これを作った人ね」と理解してもらえるほどの代表作とコラボレーションさせることで、多くの人に彼の名前と作品を認知してもらうことに成功したのです。(もちろん金沢21世紀美術館の承諾もいただいていたそうです)

 

 <<スイミング・プール>>の写真を撮ったことがある人なら、お得な企画に反応してしまいそうですよね。美術館をまたぐ面白い企画。単なる前売り券での割引以外の値引きサービスは見たことがないので新鮮でした。逆に森美術館の展示をきっかけに金沢21世紀美術館へ行くことにしたお客さんも多くいたと推測されてました。

スイミングプール

https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=30&d=7より写真を引用。

美術館アカウントの強さの訳

次に驚いたのは、企業アカウントと海外美術館アカウントのフォロワー数の比較。コカ・コーラのインスタグラムフォロワーは260万人、アマゾンが180万人に対して、ニューヨーク近代美術館が452万人、メトロポリタン美術館は313万人なのです。(2019年5月時点)世界中で商品展開しているグローバル企業よりも、その地域にたった一つの美術館の方がフォロワー数が多いのです。ここに挙げた海外の美術館の投稿はいたって地味で、展覧会や作品作家の基本情報を淡々と伝えることしかしていません。

 

 では、なぜ美術館のアカウントは強いのか?それは「文化的な投稿」は突出してユーザーの心に届きやすいからだとこの本で分析されています。それに対して、商品の購入へと誘導する意図の見える広告的な企業の投稿は気持ちをつかむまでに至らないということのようです。

日本初の試み#empty

森美術館の取り組む珍しい試みの一つに、#emptyがあります。閉館後などお客さんのいない美術館にインスタグラマーが集まり、展示風景を自由に撮影するイベントだそうです。2013年、メトロポリタン美術館で始まって以降、ニューヨークのグッゲンハイム美術館、ロシアのエルミタージュ美術館などで開催されています。

 

 この#emptyを森美術館は2017年の「N・S・ハルシャ展」にて日本で初めて開催しました。ここで肝なのは、ビジネス目的でギャランティを払って依頼したわけではないということです。自由に撮影を楽しんでください、というスタンスを貫いたといいます。自分が好きでいいと思ったから投稿する、という本来のモチベーションで投稿されたからこそ、写真のクオリティが高まり、企画も9つのメディアに取り上げられました。

 

 また、#emptyをきっかけに、森美術館が場内撮影許可の施設で、SNSの投稿もできるという認知がひろがったそうです。

そのアカウントの志は何なのか?

この本には、アカウントは設計図を作ってから運用すべきと書かれています。設計図で明確にすべきは、①目的:伝えたいこと②志:その先にあるものです。和菓子屋さんなら目的は来店、志は「創業時から贈ると誰もが喜んでくれるお菓子を作っていることを伝える」という具合です。

 

 森美術館のアカウントの目的は来館。そして志は・・・「文化的な情報やアートの力で、自分の心や人生を豊かにしてもらいたい」というものだそうです。その背景には、情報過多のタイムラインの中に、ネガティブでもせかせかした情報でもなくどちらにも直結していない第三の価値を流したい、という想いがあるそうです。

 

 この部分を読んだときは感動しましたね。たしかに、疲弊しがちなSNSにおいて、損得に直結していないほっと一息つけるような第三の価値のある情報は貴重だと思います。

ぶれない志を設定するということも全てのSNS運用者が真似できる方法だと思います。

おわりに

他の施設とのコラボレーション、淡々と基本情報を繰り返すこと、広告くささを排除した取り組み、アカウントの志の設定。このほかにも様々な事例が豊富な写真とともに解説されているので、今回気になった方はぜひ読んでみてください。それでは今回もみなさんに気づきがありますように!


シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略 [ 洞田貫 晋一朗 ]

おすすめ画家!エドワード・ジョン・ポインターの絵は甘い匂いが漂ってきそう?

はじめに

今回ご紹介するのは、イギリスの画家エドワード・ジョン・ポインターです。

エドワード・ジョン・ポインターの作品群

こちらの作品をご覧いただきましょう。1891年作「世界の若かりし頃」です。

世界の若かりし頃

https://publicdomainq.net/edward-poynter-0032921/ から画像を引用。

一番前は金魚の泳ぐプール、中間地帯に女性たちがくつろぎ、奥には空や山が広がる三層構造になっています。円柱や床のタイル、ゆったりとした薄い衣、蛇の噴水やつぼなどが古風で趣深いですね。手前にいる二人の女性は、「アストラガリ」という動物の骨でできたお手玉のようなものを使って遊んでいるところのようです。(えきKYOTO「西洋近代美術にみる 神話の世界」展 作品解説参照 )

乳白色と紫の衣が素敵な調和を生み出しています。人物のポーズも柔らかいうえに存在感がありますね。装飾品や小物の描き込みも細かく、見ごたえがあります。


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エンディミオン

https://artuk.org/discover/artworks/the-vision-of-endymion-188975 から画像、作品説明を訳して引用

タイトルは「The Vision of Endymion」。日本語に訳すと「エンディミオンの見た幻影」というような意味になります。日本では定まった正確な題名が無いようなのですが、「エンディミオンの夢」や「夢の中のエンデュミオーン」としているところもあるようです。

エンディミオンとは、ギリシア神話に出てくる、美貌を持つ羊飼いの男性。画面左下で寝そべっている人物です。服装が羊飼いらしいですね。

彼のもとに、光とともに現れる女性は、ギリシャ神話の月の女神セレーネー。(ローマ神話ではディアナ・ルーナと同一視されているようです)エンディミオンとセレーネーは相思相愛です。

エンディミオンは夢の中でいつもセレーネーと会えるように、永遠の眠りにつくことを願います。この絵のケシの花がそれを象徴しているそうです。うずまいている、ひだのある薄い織物をまとって降りてくるセレーネーは夢のようというよりも、官能的です。

この絵は1860年代のラファエル前派界隈と近しかった作者の後期の作品です。愛の通い合いが垣間見える、甘美な作品でした。

おわりに

いかがでしたか?この画家は、えきKYOTO「西洋近代美術にみる 神話の世界」展で初めて知りました。グッズが展開されていなかったのが残念ですが、「世界の若かりし頃」の原画はじっくりと楽しめました。それでは、今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!

 


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オンラインギャラリー“iiwii(イーウィー)”が熱い!~アート業界の課題を変えろ~

はじめに

今回ご紹介するのは、「iiwii」(イーウィー)。「アーティストの創造活動を支援し、世界に向けて発信したい」と語る坂東工氏が2019年6月にスタートさせたオンラインギャラリーです。「iiwii」は、It is what it isの略で、英語のスラングで「しょうがない」「なるようになる」などの意味だそう。作品を作り終わった後で、これはこういう風になりたかったのか、と感じたときに浮かんだネーミングとのことです。

iiwiiのできた経緯

立ち上げた坂東工さんは俳優であり、有名な婚活サバイバル番組「バチェラー・ジャパン」の司会という顔も持つ人物。そして皮や角、石を使った作品や、映画・ドラマの衣装制作などのアーティスト活動もやってこられている方なんです。その活動の中で様々なアーティストと出会ってきた坂東さん。「アートはおもしろい」と確信すると同時に、多くのアーティストが必要な費用を稼げていないという実情も目にします。個展やグループ展で認知を広げようとしても、かさむ場所代やコミッション(委託手数料)は軽視できない額なのです。

アートに携わる人たちが抱える、「世界に向けて自分のアートを発表する場所がほしい。」という共通の悩み。それを解決する発表空間としてオンラインギャラリーという発想に至ったそうです。


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藤沢まゆさんの作品

登場するのは、藤沢まゆさん、湯沢英治さん、Ahn Sinjaeさん、奥田拓郎さん、khayahさん、森田ひさえさん、加藤秀之さん、嶺脇 美貴子さん、Shino Takedaさん、俵藤ひでとさん、三浦康太郎さん。画材も様々、個性あふれる作品群を展開されています。

私が特に惹かれたのは染色画家の藤沢まゆさん。こちらから作品をご覧いただけます。

美しい緑の尾の毛を使い、織り上げた緑のじゅうたんで、大地を覆って植物を育てる。馬の神様がテーマの絵です。物語性があるのは素敵ですね。文明と、動物や植物との共存を思わせるようなモチーフが散りばめられています。緑や水色などが多く使われていますが、曲線が多用されているためか柔らかくぬくもりのあるように感じられます。

藤沢さんは、幼少期をアメリカで過ごし、帰国後女子美術大学短期大学部にてテキスタイルデザインコースを専攻なさっています。

筒描きという日本の染色における伝統技法と独自に開発した染色技法を用いて、淡い色調で布に絵を染め上げているそうです。

美術館での展示をはじめ、百貨店、ギャラリーなどで精力的に個展やグループ展を行う傍ら、シンガーソングライター・木村カエラと雑誌Nylon Japanにてコラボレーション、のちに発売されたアートブックに掲載されるという輝かしい業績も。またルミネ新宿のメインビジュアルやルミネ新宿1のエレベータの扉絵などに採用されるなど、その活動は多岐にわたるとのことです。

おわりに

いかがでしたか?独自の染色技法が光る作品でしたね。これからはこうしたオンラインギャラリーが台頭していく時代かもしれませんね。それでは今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!

 


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【おすすめイラストレーター】フローレンス・ハリソンの柔らかな魅力あふれる絵にくぎ付け!

はじめに

今回ご紹介するのは、アールヌーボー、ラファエル前派の挿絵画家フローレンス・ハリソン(1877–1955年)です。

フローレンス・ハリソンの作品

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ラプンツェル」という作品。塔の上から長い金髪を揺らしている女性の姿はなんとなく物悲しげですね。塔に幽閉されている状況が伝わってきます。背景の青と髪の金色のコントラストが美しいです。まだ見ぬ塔の外の世界に思いをはせているのでしょうね。


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こちらの作品も見ものです。泡や波が軽やかに描写されています。人魚のような、海の精のような生き物も品がありますね。そっとかかっている虹が希望を感じさせる絵となっていますね。

 

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最後はこの絵で締めましょう。「Elfin Song」という絵です。羽の生えた妖精たちが手を取り合い、輪になって踊っている様子ですね。手前にはきのこがいくつも生えています。ぽっかりとあたりを照らす月も幻想的な雰囲気を増しています。空と、それを分断する木のシルエットの織り成すリズムが小気味よいですね。

http://www.gorgeousartgirl.com/emma-florence-harrison-illustrator/から画像を引用

おわりに

いかがでしたか?経歴に謎の多い挿絵画家さんなのでその生涯についてははっきりとしたことは言えません。しかし作品は素晴らしく、だからこそ残っていっているものですね。今回のような童話をもとにした絵や、架空の生物を描いている絵がお好きな方は、以下の記事も読んでみてくださいね。

絵本画家リスヴェート・ツヴェルガーの童話と融合した芸術の世界

https://minoruha-runa.hatenablog.com/entry/2019/09/08/224524

 繊細で愛らしい。挿絵画家マーガレット・エバンス・プライスって?

https://minoruha-runa.hatenablog.com/entry/2019/09/14/205411

 妖精たちにうっとり。挿絵画家シシリー・メアリー・バーカー

https://minoruha-runa.hatenablog.com/entry/2019/09/14/210949

 

それでは今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!


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