まんぷくまなこ

文学部美術史学専攻卒の穂葉るながお届けする、美術に関するブログ。素敵な作品と作家さんを紹介します。たまに人材や教育の記事も。

ジブリとは違うテイストの「思い出のマーニー」を描いた注目のイラストレーター、リスク・フェン

はじめに

今回ご紹介するのは、中国出身のイラストレーターリスク・フェン(Lisk feng)です。

思い出のマーニー

こちらをご覧ください。

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ジブリ映画になったことで一躍有名になったイギリスの児童文学「思い出のマーニー」(原題:When Marnie Was There)の挿絵です。黒髪の主人公アンナと金髪のマーニーが野原を連れ立っています。

ほぼZ型に二分割された大胆な画面構成が目を引きますね!花の大小で示されている遠近感も面白いです。花の赤と野原の緑の補色対比(色相環という円状の色の並びの中で正反対に位置する色の対比)も鮮やか。黄色い地平線に独創性を感じますね。雲の描き方も、筆のタッチを生かしています。四隅の方がかすれた感じになっているのもレトロな感じを醸し出していますね。

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こちらの海の場面を描いたイラストも素晴らしいです。新印象派のジョルジュ・スーラの点描(点の集まりによる絵の描き方)を連想させる細かい画法で波や水面を描いています。空と海のグラデーションも会心の出来ですね。シルエットになっている子供達もそれぞれの動きがよくわかるポージングです。

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最後はこちら。祈るようなポーズをしているマーニーが自然の中にたたずむ幻想的なシーンです。ススキのような植物の連なりが生み出すリズムが目に心地いいですね。散りばめられている黄色い光も綺麗です。

上記のサイトから画像を引用

あらすじ

思い出のマーニーのあらすじを紹介します。

幼いころに孤児となった主人公アンナは、養女として育てられています。内気で友達ができないアンナは、自分が目に見えない「魔法の輪」の外側にいるのだと感じており、母や祖母が自分を残して死んだことも憎んでいます。養母からは実の子のように思われていると感じていましたが、養母がアンナの養育費を市から受給しており、それをアンナに隠していると知ると、アンナは養母の愛にまで疑問を感じるようになってしまいます。無気力になったアンナは喘息まで患い、療養のために海辺の村で過ごすことになります。

村を訪れたアンナは、入江の畔に「これこそずっと自分が探していたものだ」と直感的に感じる古い無人の屋敷を見つけます。"湿地屋敷"と呼ばれるその屋敷を、なぜかアンナは特別な存在だと感じ、この屋敷に住むことになる人は特別な人のはずだと夢見るようになります。屋敷は長いこと無人だったはずでしたが、屋敷に長く住むという不思議な少女マーニーとアンナは出会います。

マーニーを「まさしく自分のような子」だと感じたアンナは、彼女と友達になり、悩んでいた養育費のことも打ち明けるようになります。アンナは、恵まれた子だと思っていたマーニーが孤独を感じていることも知り、やがて友情を深めた二人は永遠に友達でいる誓いを立てます。やがて二人に別れが訪れ、そのあとにアンナはマーニーの日記を見つけます。この続きは原作を読んで確かめてみてください。

経歴

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リスク・フェンは2014年に米国のメリーランド・インスティチュート・カレッジ・オブ・アートを卒業。現在はニューヨークを拠点として、アップルやニューヨーク・タイムズなどの大手企業の広告や雑誌のイラストレーションを手がけます。木内達朗、清水裕子といった日本のイラストレーターから影響を受けています。

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おわりに

いかがでしたでしょうか?かわいらしさとノスタルジーに満ちた魅力がありましたね。それでは今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!


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