まんぷくまなこ

文学部美術史学専攻卒の穂葉るながお届けする、美術に関するブログ。素敵な作品と作家さんを紹介します。たまに人材や教育の記事も。

わずか9歳の天才画家アイリス・グレース

はじめに

今回ご紹介するのは、イギリスの小さな画家アイリス・グレース。

モネのような抽象画

こちらの作品が集まったサイトをご覧ください。

まさにモネの再来といえるような絵ですね。抽象画でありながら、水や木、太陽、光などを連想させ、タイトルが想像をかき立てます。カラフルではありますが、色と色が対立せず心地よいハーモニーを奏でていますね。「Explosions of Colour」で見られるような白い弾けたしずくは、真上から筆で絵の具を垂らして描いていると思われます。「Bluebells」にもあるしなだれた柳のような緑色は、水平にしたカンバスのふちに絵の具の混ざった水滴をたらした後、カンバスを垂直に立てて出来たのではないでしょうか。どの絵も心をなだめ、穏やかにしてくれるセラピーのような作品ですね。

絵を始めたきっかけ

アイリス・グレースは2歳の時に自閉症スペクトラム(ASD=Autism Spectrum Disorder)と診断されます。社会性、社会的コミュニケーション、社会的イマジネーションに質的な偏りがみられる障がいです。対人関係の構築がむずかしかったり、こだわりが強かったり、五感や温冷感覚に敏感・鈍感だったりするようです。詳しくは以下のクリニックの説明をご覧ください。

ご両親は自閉症スペクトラムの治療の一貫としてアイリスちゃんに画材道具を与えて、絵を描くことを教えたのが描くきっかけになりました。その絵の魅力にご両親が気づき作品をホームページに掲載すると、世界中のコレクターやバイヤーから問い合わせが殺到するようになりました。アンジェリーナ・ジョリーダニエル・ラドクリフも絶賛しているとのことです。

また、動物セラピーも試していて、メインクーンの猫スーラと仲良しです。もっと知りたい方は以下の書籍をご覧くださいね。

おわりに

いかがでしたか?絵だけでなく本人も愛くるしい画家でしたね。今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!


小さなモネ -アイリス・グレースー 自閉症の少女と子猫の奇跡 [ アラベラ・カーター・ジョンソン ]