優しい絵柄に確かな技術力が光る挿絵画家メイベル・ルーシー・アトウェル
はじめに
今回ご紹介するのはイギリスのイラストレーター、メイベル・ルーシー・アトウェル。(Mabel Lucie Attwell)
不思議の国のアリス
まずは、こちらの絵を見てください。
ルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」で、豚になってしまった赤ん坊をあやす場面の絵です。どこか懐かしさを感じさせる、レトロな色彩ですね。花柄のワンピースを着たアリスはとてもチャーミング。木の下に腰を下ろして、赤ん坊の耳と足を持って抱いているポーズが正確に描写されています。幼いながら慈愛を感じさせる表情をしていますね。そんなアリスと赤ん坊を石の陰から見守る手前の小さな鳥は、原作の文章にないアトウェルオリジナルの工夫。とても可愛らしいですね。右側の木ではのちに登場するチェシャ猫がにやにや笑いを浮かべています。奥に見える建物もメルヘンチック。背景の遠近感もばっちりです。高い技術力に裏打ちされた優しい雰囲気の作品でした。
※画像は以下のサイトから引用しています。
ピーターパン
二枚目はこちら。
「ピーターパンとウェンディ」で、ピーターパンたちが空を飛んでネバーランドに行くシーンを描いています。空が美しく塗られています。ワンピースを着ているのが長女ウェンディ、帽子をかぶっているのがジョン、眠そうな青いパジャマの子が末っ子マイケルですね。その周りには妖精のような生き物がピーターパンたちの着陸を邪魔しようとしているようです。残念ながら原作をまだ読んでいないのでこの生き物の正体がわからないのですが、知っている方がいらっしゃったらコメント欄で教えてくださいね。
※この画像は以下のサイトから引用しました。
おわりに
いかがでしたか?「Mabel Lucie Attwell」で検索するとほかにもポストカードなどいろんな作品が楽しめますのでぜひご覧くださいね。それでは、今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!